90年代頃まで、日本は終身雇用制を敷く企業が多い時代でした。

そんな時代においては、同僚や上司とも長期的な付き合いになるため、親密な関係を築こうとするのが一般的だったのかもしれません。

しかし、次第に終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前の時代になってからは、上司と部下との関係もドライになりつつあります。

環境の変化に伴ってドライになった


1990年代に日本語としてセクハラという言葉が定着し、2001年にパワハラという言葉が提唱されてからは、会社内でも立場を利用した嫌がらせが罪に問われるようになりました。

これ自体は、多くの企業で社内環境の是正に繋がりましたが、「ハラスメントになるかもしれない」という意識から、上司と部下のコミュニケーションが希薄になるという結果も招いています。

また、インターネットやSNSの発達に伴い、セクハラやパワハラが可視化されやすくなったのも、上司部下の関係性がドライになることへ拍車をかけたと言えるでしょう。

事実、ツイッターやフェイスブックを通じて、セクハラやパワハラを行う上司や異常な社内環境が告発、拡散されれば、企業へ与えるダメージも図りしれません。

親睦を深めることに対して、何かしらのリスクが発生するようになれば、上司と部下の関係性がドライになるのも仕方ない話と言えるでしょう。

贈り物を禁止にする企業も増えている

親戚縁者に対するお中元やお歳暮の文化は、令和の時代においても残っているため、デパートや百貨店では毎年のようにセールが行われています。

しかし、業務上のコミュニケーションや儀礼の一環としての贈り物はどうでしょうか?上司と部下の関係が、それなりに親密だった時代においては、お中元やお歳暮などの贈答品文化が色濃く残っていました。

ですが、現代においては上司や部下に対して贈り物をする文化は無くなりつつあると言ってもいいでしょう。企業によっては、贈答品そのものを禁止しているケースも少なくないほどです。
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距離感を上手に保つのが正解か

上司と部下のコミュニケーションがしっかりと取れていれば、業務間の連携もスムーズに行われるため、働くうえでも何かとプラスになるでしょう。

とはいえ、過度に干渉することは法律に抵触しますし、コミュニケーションを希薄にし過ぎていても、仕事を円滑に行うことはできません。

どちらに偏るのも危険であれば、上手な距離感を保ち続けることが一番でしょう。